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実質的支配者とは? 法人クレジットカードを申し込む時の必要項目

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2016年10月1日に「犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯罪収益移転防止法)」が改正されました。この影響で、法人名義でクレジットカードへの申し込みをする時には、「実質的支配者」を必ず申告する必要があります

実質的支配者とは「法人の経営決定権をもつ人(個人)」のことです。

さらに、どういう理由でその人が実質的支配者といえるのかについて、関係性を示すことも求められます。たとえば、「25%超議決権・配当・分配等あり」、「出資・融資・取引等実質的影響力あり」、「代表者(業務執行)」のようなものです。

ただ、普段はほとんど意識したことがない「議決権」「出資に実質的影響力あり」などの言葉がでてくることもあり、実質的支配者について、ややこしくて理解しにくいのではないでしょうか?

そこでこのページでは、法人クレジットカードへの申し込みにおける「実質的支配者」とはどういう存在なのかについてくわしく説明したいと思います。

※個人事業主の方は「法人」ではありませんので、実質的支配者の申告は不要です。

実質的支配者とは、法人の経営決定権をもつ人(個人)

質的支配者とは、「法人の事業経営を実質的に支配することが可能な人(個人)」のことをいいます。わかりやすく言いかえると「法人の経営決定権をもつ人(個人)」です。

では、誰が経営決定権をもっているのでしょうか。

日本の法人(会社・企業)は形態によって、「資本多数決法人」と「それ以外」に分けられます。

資本多数決法人とは、「その会社に対して出資した金額の割合に応じて自分の意見を通す権利(議決権)があたえられる」法人のことです。つまり、単純に「お金をたくさん出した人の発言力・経営決定力が強い法人」ということになります。「株式会社」「有限会社」など大多数の法人はこれにあたります。

そのため、株式会社や有限会社のような資本多数決法人では、法人の経営決定権をもつのは「たくさんお金を出資している人」となるのです。株式会社の場合は、保有している株式の割合とイコールです。

一方で、資本多数決法人以外とは、「その会社(法人)に出資した金額の割合とは関係なく、自分の意見を通す権利(議決権)をあたえることができる法人」です。たとえば、合同会社、合名会社、合資会社、一般社団・財団法人、学校法人、宗教法人、 医療法人、社会福祉法人などがこれにあたります。

これらの資本多数決法人ではない場合、出資している比率では経営決定権(会社に対する影響力)をはかることができません。そこで、この場合は「受け取っているお金(配当・分配金)の多さ」をポイントに影響力のある人を判断します。つまり、たくさんお金を受け取っている人は、その会社に強い影響力がある人=経営決定権をもつ人だ、という考え方です。

ここまで説明したことが、実質的支配者が誰なのかを判定する基本となる考え方になります。

実質的支配者が誰なのかを判断するフロー

では次に、どのような条件で実質的支配者を判断するのかについてです。

いまの日本において、法人の大多数は株式会社の形態をとっています。次いで多いのが有限会社です。そのため、ここからは株式会社・有限会社のような資本多数決法人の場合で説明します。

ただ、あなたの法人が合同会社、合資会社、一般社団・財団法人のような資本多数決法人ではない場合、ここからの説明ででてくる「議決権」という言葉を、「配当・分配金を受け取る(報酬を受け取る)」と読みかえてください。そうすれば、まったく同じ内容になります。

また、実質的支配者が誰なのかを判断するキホンに「該当する人がいたら、その人。もし該当者がいない場合は別の条件で判断をする。その条件でもいなければ、仕方がない、現実的に担当している人にしよう」という考え方があります。 これを前提に、読み進めてください。

まず、かんたんに実質的支配者を判定するためのフローチャートを示します。

実質的支配者が誰なのかを判定するフロー

このフローチャートの上から順番に条件に当てはめていき、該当者がいたらその時点でその人が実質的支配者になります。そのとき、次の条件に当てはめる必要はありません。そこで決まりです。

【優先順位1位の条件】:
議決権50%超を直接or間接に保有する個人がいるか?

【優先順位2位の条件】:
議決権25%超を直接or間接に保有する個人がいるか?

【優先順位3位の条件】:
出資、融資、取引、その他の関係を通じて事業活動に支配的な影響力がある個人がいるか?

それぞれ順に説明していきます。

【優先順位1位】議決権50%超を直接or間接に保有する個人がいるか?

優先順位1位の条件は「議決権50%超を直接or間接に保有する個人がいるか?」です。

株式会社や有限会社の場合は、出資している金額に応じて議決権(自分の意見を通す権利)をあたえられますので、「議決権50%を超える人」とは、その会社の資本金に対して50%超の出資をしている人のことです。株式会社であれば、半数以上の株式を持っている人とイコールです。

そして、50%を超える議決権を有する個人がいたら、その時点でその人1人だけが実質的支配者にあたります。社長ひとりだけが出資した会社(=株主は社長ひとり)という場合は、社長に議決権が100%ありますから、実質的支配者は社長だけです。管理人の会社も社長である私だけが出資しています。

ここで「直接または間接に」という聞きなれない言葉がでてきました。この説明は後述しますので、とりあえずこのまま読み進めてください。

もし、50%超の議決権をもつ個人がいない場合は、次に進みます。

【優先順位2位】議決権25%超を直接or間接に保有する個人がいるか?

優先順位2位の条件は「議決権25%超を直接or間接に保有する個人がいるか?」です。

25%を超える議決権をもつ人がいる場合、該当する人すべてが実質的支配者にあたります。「該当する人すべて」が実質的支配者になりますので、もし2名いる場合は2名、3名いたら3名すべてが該当します。

たとえば、設立時に3名で出資して会社をスタート、代表だけが40%、残りの2名が30%を出資したというケースは、全員が25%超の議決権があるので、3人全員が実質的支配者にあたります。

25%超の議決権を持つ人がいれば、この時点で実質的支配者は決定です。

中小企業をはじめとする小規模な会社であれば、ほとんどの場合、このどちらか2つの条件で実質的支配者はだれなのかが判明するはずです。

【優先順位3位】 出資、融資、取引、その他の関係を通じて事業活動に支配的な影響力がある個人がいるか?

ややこしくなるのが、議決権25%超の人がいない場合です。 たとえば、5人で出資して株式会社を設立した場合、5人それぞれの出資比率が20%だと誰も25%を超える議決権を持っていないことになります。

この時は3つ目の条件で判定します。 それが、優先順位3位の条件「出資、融資、取引、その他の関係を通じて事業活動に支配的な影響力がある個人がいるか?」です。

これを読んでも、なんだそれは? となるかもしれません。

要するに、「だれも25%を超える議決権をもっていないとしても、その中のひとりが“実質的に”力を持っている場合はその人が実質的支配者になる」という考え方です。たとえば、会社を興すぞ!と強い意志がある創業者や、会社に何かあったときに個人のお金を投入して何とかしようとしている人(大口の債権者)のことになります。

【これも該当者がいない場合】会社の業務を執行する代表者はだれか?

そして、こういう立場の人もいない場合は最後の条件です。

それが「会社の業務を執行する代表者はだれか?」です。
会社の業務の総責任者はだれかということです。これはどんな状況においても確実に存在します。そして、その人が実質的支配者になります。

くり返しになりますが、ほとんどの法人においては「議決権50%超または25%超をもつ個人がいるか?」という条件だけで実質的支配者の判断ができるはずです。ただ、まれにそうでない企業もあり、その場合の判断方法として3つ目、4つ目の条件が用意されてるということです。

以上が、実質的支配者が誰なのかを判別するための流れです。

直接的な議決権、間接的な議決権とは?

ここで、「直接的な議決権」と「間接的な議決権」について説明します。 

直接的な議決権

まず「直接的な議決権」について。これはとてもシンプルで、株式会社や有限会社の場合、その会社に対して“個人が直接出資している”ことです。 次の図は直接的な出資をあらわしたものです。

この図では、X株式会社に対して、個人株主であるAさんが出資しています。つまり、X社は株式会社なので、X株式会社の株式をAさんが持っている状態です。この場合、Aさんは50%超の比率で出資をしているため、X株式会社の50%超の議決権を持っていることになります。

また、次のように複数の人が直接出資してるケースも同様です。

上図ではAさん、Bさんの2名がそれぞれX株式会社に対して25%超の出資をしています。つまり、Aさん、Bさんそれぞれが25%超の議決権を持っていることになります。この場合は、両者ともに実質的支配者にあります。

これが直接的な議決権をもつ状態です。

間接的な議決権

一方、「間接的な議決権を有する」とは、間に会社を挟んでいることをいいます。 下図がわかりやすいです。

X株式会社の議決権を持っているのが(X株式会社の株式を持っている名義)が、法人(会社)になっているケースです。この場合、X株式会社に対して議決権があるのはY社です。ですから、実質的支配者としてY社(法人)としたいところですが、実質的支配者は“個人”である必要があります。法人ではありません。そのため、Y社の経営決定権をもつ個人がだれなのかが重要になるのです。

上記の図ではAさんがY社の50%超の株を保有(=Y社の50%超議決権を保有)しているため、実質的にY社の経営決定権をもっています。

この状況を俯瞰すると、AさんはY社を通して、X株式会社の株式の25%超を持っていることになります。つまり、AさんがX株式会社の議決権25%超を持っているのと同じことです。このため、AさんはX株式会社の実質的支配者にあたります。

この状況を「間接的な議決権を有する」といいます。

尚、AさんがY社の議決権の50%超を保有する場合のみ、X株式会社の議決権の間接保有者となります。反対にいうと、AさんのY社の議決権の50%以下しか保有していない場合、X株式会社からみてAさんは議決権を保有していることにはなりません。

「直接」+「間接」で議決権が25%を超える場合も実質的支配者

上記のように、「直接的な議決権」と「間接的な議決権」があることがわかりました。では、「直接的な議決権」と「間接的な議決権」の両方をもつ場合はどうなるのでしょうか。もちろん、その場合も該当者は実質的支配者となります。次の図のようなケースです。

AさんはX株式会社の株式を20%保有しています。この時点で、議決権は20%となります。ただ、20%の議決権では実質的支配者の条件である「25%超」を満たしていません。

さらに、AさんはY社の経営決定権をもっており、そのY社はX株式会社の15%の議決権をもっています。つまり、AさんはY社を通じて、X社の15%議決権をもっています。

この状態を俯瞰すると、Aさんは個人で20%議決権を直接保有し、Y社を通して15%間接保有していることになります。合計するとAさんは35%の議決権を持つことになります。Aさんは25%超の議決権があることになるため、X株式会社の実質的支配者となります。

ここまでが、「直接的な議決権」と「間接的な議決権」の説明です。

では次に、実際、法人クレジットカードの申し込みをするときにはどのように入力すれば良いのかについて説明します。

JCB法人カードを例に、実質的支配者の入力方法を解説

ここからは当サイトで安定的に人気のJCB法人カードの申し込みフォームを例に、実際の「実質的支配者」の入力方法について、具体的に見ていきたいと思います。

JCB法人カードに入会するには、以下のようなの申し込みフォームに入力する必要があります。フォームには、「実質的支配者の人数と関係性」という欄があり、ここが実質的支配者を申告する箇所です。

この欄の右横に次の質問があります。「議決権の25%超を直接・間接に保有する個人、国等・上場企業はいますか?いる場合は、数を選択してください。」です。

このページで説明して内容に従って、25%を超える議決権を持つ人(実質的支配者)をすべてリストアップし、その人数を入力します。(もし該当者がいない場合は、「いない」を選択すると別の条件が示されますので従ってください)

そして、その人の氏名、生年月日、自宅住所を入力します。

これでOKです。フォームを確認してみると、「関係性」の欄は自動的に「25%超議決権・配当・分配等あり」となっていますね。JCB法人カードの申し込みフォームは 入力がしやすいので迷うことはほとんどないと思います。

他の場合も、ここで説明した内容を理解すれば入力に困ることはないはずです。

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まとめ

2016年10月以降、犯罪収益移転防止法の改正によって、法人が金融機関をとおして何かをする場合、実質的支配者が誰で、どういう理由でそうなるのかを必ず申告することが必須になりました。

法人カードの申し込みだけでなく、銀行口座や証券口座の開設においても必ず必要です。このことにより、申し込みをする時に「なにそれ?」となり困惑してしまうことがあるかもしれません。

ただ、このページで説明したように、実質的支配者の判定にはルールがあります。

【優先順位1位の条件】:
議決権50%超を直接or間接に保有する個人がいるか?

【優先順位2位の条件】:
議決権25%超を直接or間接に保有する個人がいるか?

【優先順位3位の条件】:
出資、融資、取引、その他の関係を通じて事業活動に支配的な影響力がある個人がいるか?

上の3つの条件に従い判別すれば良いのです。理解してしまえばそれほどややこしいものではありません。

ここで説明したことを読み、お役に立てたらとても嬉しいです!

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